
劇団SKG第20回公演『再演A。』〜キミのなかのボクのこと〜
ストーリー・解釈。
ストーリー。かなり独断アリ
【SKグループ第20回記念公演『再演A。』〜キミのなかのボクのこと〜】
舞台は精神病院の閉鎖病棟。頭の中で妙な音が鳴り響くという男、薫(江田由紀浩)と男嫌いで凶暴であり、カッターを常備する自虐的女、晶(小山めぐみ)の元に、ある日、誠(福村澄江)という女が入館する。誠にはここに来た理由がわからない。
混乱する誠に薫は『ここは、きちがいの人殺しが来る場所なんだ』と告げる。 誠は驚愕する――誠は記憶を失くすという病を持っていた。
さて、ここには毎週かかさず4年間(精神)病院の闇を暴くというノンフィクション作家北島明仁(すがの公)が薫への面会に訪れる。
薫は北島を“おじさん”と呼ぶ。“おじさん”は薫の話を元に彼の無実を証明し、閉鎖病棟から救おうと言うのである。
体調のすぐれない薫の代わりに晶が出た時、おじさんは晶にも「君を助けたい」と言う。
『君はまず、根本を見つめないといけない。心の奥にある物置から一回全部出してみないといけない。もし、必要ないのなら、もう一度しまっちゃえばいいんだ。』
彼の言葉に救いを見た晶。それを快く思わない薫。
『オレは誰かの一番になれないのか?オレの事を必要としてくれないのか?』彼は“おじさん”に問う。
北島はそれを宥めながら何か変わったことはないかと問う。
薫が誠の事を告げる。北島はそれまでと打って変わって薫の事など見えぬように「誠の復活」に歓喜の声をあげる。
『“誠”はずっといたんだ。ここに,ずっと。そして今,復活を遂げた。』
…誠とは誰なのか。誠と晶の異様なまでの共通点の多さ。薫の中に流れる曲。
次の週。“おじさん”の指示どおり三人が集まる。彼の書いた台本を読む。誠は自分の記憶に4年の空白があることに気付き,恐れ,北島の台本を拒む。
しかし強制的に物語は始まる。【4年前、お父さんとの話】
明らかになる“誠”の真実。小学生の時“薫君”に恋した事が幕開け。
いや、その前から始まっていたのかもしれない。
異常なまでに娘、北島誠を愛したセイジによってもたらされた悲劇。想いを踏み躙られ、暴力、そして“薫君”がくれた銀の粉の舞うオルゴールを割られ、現実に耐え切れなくなった誠は晶を生み出し、晶は全てを忘れるために薫を生んだ。
─―解離性同一性障害(多重人格)――全ては誠を救うための4年間だった。
全てを悟る誠と晶。しかし薫には理解できない。『おまえはわからないために生まれてきたんだ』北島は言う。
『オレが主役じゃないのか?』『わかってくれ、って言われてもわかりたくてもわからないんだ!』薫の残酷な存在意味。
書き直して!――憤る晶。しかし、北島は応じない。全ての鍵を開ける事を躊躇し始めた北島から台本を奪い取り“物置”から全てをさらけ出す。
そして、真実。
『あいつがオルゴールを壊した。復讐だ。そしておれはあいつをポケットのカッターで…』
心の物置は開け放たれた。“根本”を知った。
晶と薫は静かににカッターを取り出し、泣き叫ぶ誠に晶は囁く。
『大丈夫。これ夢だから』
薫も言う。『オレってバカだから。こういう役回りだから。男だから。』銀の粉の舞う中彼らは、消えた。
数年後。(数ヶ月?)閉鎖病棟の中には北島セイジ。
自分の事を明仁と言い、何故自分がここにいるのかが理解できない。
そして、そこには毎週娘の誠が訪れていて、ある日十何年ぶりに“薫君”と再開する。
“薫君”は告げる。「小学生のとき、自分も初恋でした。」
幕。
☆解釈へ☆